【書籍紹介】『なぜあなたの仕事は終わらないのか』の感想と実践 本当に仕事を早く終わらせられるのか?

雑記

こんにちは、トナカイです。

今回は『なぜあなたの仕事は終わらないのか』という書籍を紹介します。

内容の紹介だけではなく、本書の内容を実践した感想もお伝えします。

書籍の紹介

本書の著者は中島聡氏です。右クリックの概念を作ったりドラッグ&ドロップを普及させたりし、伝説のプログラマーと呼ばれた方です。自分もプログラミングをするので、この方の御恩をこうむっています。

中島氏がこの成果を出せた背景には時間の使い方があるとのことです。

『なぜあなたの仕事は終わらないのか』は、中島氏の時間の使い方の秘訣を解説する本となっています。

本書は6章構成になっています。

第1章、第2章では、仕事が終わらない原因と、時間の使い方を上手にするメリットについて解説しています。

第3章で著者の仕事観がどう生まれたのかを説明した上で、第4章で、中島氏の時間術の具体的な内容について解説しています。

第5章では、この時間術のカスタマイズ方法を解説しています。

第6章は、時間術が人生にどう関わるかについて話題を広げます。

著者いわく、仕事が終わらない理由はラストスパート型の時間の使い方をしているからです。

ラストスパート型の仕事とは、締切近くに全力を出す時間の使い方を指しています。

仕事に限らず、スケジュール通りに事を進めることは難しいです。

仕事の完了にどれくらいの時間がかかるかは、実際にその仕事にとりかかってみなければ分かりません。想定外のイベントが起こる可能性もあります。

仕事の期日直前に本腰を入れるラストスパート型の進め方をすると、想定外の事態に対応できなくなってしまうのです。

そこで著者が勧める時間術が、ロケットスタート型時間術です。

これはラストスパート型とは反対に、最初の2割の時間で全力を出し、仕事の8割を終わらせる時間の使い方を意味します。

ロケットスタート型時間術を取り入れるメリットは、仕事にかかる時間の見積もりができることにあります。最初の2割の時間で仕事の8割を終わらせてしまうので、序盤でタスクの全体像を掴むことができるのです。

また、余裕を持たせた時間の使い方ができるため、想定外のイベントにも対応しやすくなります。

著者は最初の2割の時間は全力で仕事をすることを勧めていますが、これは、取り組んでいる仕事しか考えないくらいの集中度を意味しています。

実際にやってみよう

ロケットスタート時間術を実際のタスクに応用すると、一体どうなるのか。試しにやってみました。

結論を先に書きますと、本当に仕事が早く終わるようになりました。

本書の時間術を実行する前と後でどうなるかを検証するので、まずは今回のタスクを確認します。

タスク
  • 150ページある資料を要約して文章にまとめる
  • 脚注に参考資料があり、必要であれば見る必要がある
  • 締切は4日後
  • タスクの完成形は、読む人が資料の流れを理解できるくらいで良い

以前にも同様のタスクがあり、その際は締切日ちょうどに終わりました。今回は余裕を持たせて、締切日前日までの完了を目指します。

経験があるとはいえ、脚注の資料まで見る必要があるかどうか、実際に資料を見なければわからないため、かかる時間の見積もりは難しいです。

締切直前に全力を出す方法だと、資料が想像より難しかったときに焦ってしまいそうです。

これを進めるにあたって『なぜあなたの仕事は終わらないのか』の時間術を参考にすると、次のような戦略を取ることになります。

進め方
  • 最初の2割、つまり初日でタスクの8割を終わらせる
  • 初日は集中力全開でタスクにあたる。集中力が完全に切れたら休む
  • 初日で完成形のプロトタイプを作る
  • 初日で8割終わっていればよい。想定通りに進まなければ、締切日そのものの変更も視野に入れる

この通りに進めていきます。

しかし実際にやろうとして、困ったことが発生しました。

「家事をまったく終わらせていない!」

洗濯物の片付けや食事の準備などをまったくしていません。このままでは同居人が帰ってきた時に怒られてしまいます。

『なぜあなたの仕事は終わらないのか』を実践しようとすると、集中力が切れるまでは1つの仕事に全力を注ぐ必要があります。「家事やってないな……」と頭の隅で思うことさえも厳禁です。

出鼻をくじかれた気がしますが、怒られたくはありません。家事を終わらせてからタスクを始めることにしました。

本書では邪魔の入らない早朝を活用することが推奨されています。確かにその時間なら家事の心配もないので、本当は朝タスクに取り組んだ方が良かったんだろうと思います。

……さて、家事も一通り終えたところで、今度こそ資料の要約に取りかかります。

スマホは電源を切って別の部屋におきましたし、事前に飲み物を用意しているので、コーヒーを淹れにキッチンへ行く必要もありません。

集中力フルスロットルな仕事ができることでしょう。

———1時間後———

要約文のプロトタイプができました。見直してみると誤字や接続詞のおかしい箇所などはありますが、構成の大枠は完成した状態です。

つまり、1時間で目標としていた「1日で8割完成させる」ができてしまいました。これまで大まかな文章は2日かけて書いていたのですが、ずっと短縮できました。

結果として、最初の2割の時間でこのタスクは期日までに終わらせられる、と判断できました。残った8割の時間で残りの2割を詰められるので、時間にも精神にも余裕があります。

2日目以降は、重要そうな関連資料を読んだり、資料に入れる文章の取捨選択などをして楽しく過ごせました。

実際に本書の時間術を試してみたところ、ロケットスタート時間術を成功させるためには、集中力を切らさない環境づくりが大切だとわかりました。

今回は目の前の文章のこと以外何も考えていないくらいの集中力を保てましたが、家事のことが頭をよぎる状態であれば、1時間では終わらなかっただろうと思います。

自分が一番のメリットだと感じたのは、締切に追われる焦燥感がないので、純粋にタスクを楽しめることです。

また、この時間術の副産物として、自己肯定感が上がるという思わぬ成果も得られました。

2割の時間内で8割のタスクをこなすことは、自分の中で小さな目標を立てて達成するというステップを繰り返すことでもあるので、うまく行くと自信もついてきます。

まとめ:本当に仕事が早くなった

『なぜあなたの仕事は終わらないのか』で紹介されている時間術を使うと、早く仕事を終わらせられるということがわかりました。

試してみて最も重要だと感じたのは、最初の2割の時間で全力を使うことでした。

2024年1月現在、Kindle Unlimitedでも読むことができます。

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仕事に活用できるだけではなく、時間術の話から始まって人生の話になるという壮大なテーマに繋がっていくので、読み物としても面白いです。